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女の子 その2【おんなのこ そのに】 010 20210630

ども、いっそのこと女の子になりたい、市川福介です。

(こういう言い方をすると誤解されそうだな)




前回の続き。




“ムダ毛処理”というしち面倒くさい苦行を乗り越えた私であったが、それだけでは終わらない・・・


次に待ち構えている壁。

それが「ブラジャーを買う」ということ。


【※今後も“ブラジャー”という言葉が連呼されることが予想されますので、この後の文章は“ブラジャー”を“B”と表記します。あらかじめご了承下さい】


これが大きな壁であり、中々に恥ずかしい。

“パンティー”ではない、“B”なんです。


【※今後“パンティー”という言葉が連呼されることが予想されますので、この後の文章は“パンティー”を“P”と表記します。あらかじめご了承下さい】



レディースの服自体、躊躇なく買えるし、なんなら普段からサイズが合うからと買うことも多々あるんです。

しかし、“B”や“P”はブラウスやスカートと同じというわけにはいきません。


想像して見てください。


私が売り場でブラウスやスカートを選んでいてもおそらく「彼女さんへのプレゼントかな?」とかくらいにしか思わないはずです。


しかし売り場で“B”や“P”をニヤニヤしながら、物色していたらきっと不審に思うでしょう。

(それはニヤニヤしているのが悪いのでは?)


ブラウスやスカートはありますが、“B”や“P”はないので買いに行かなければなりません。

これが実に大きな壁です。


“P”は別になくてもいいんです。

見えるものではないので、自分の“P”を穿いておけばいいんです。

(中にはそこも拘る役者もいますが・・・)


しかし“B”はそういうわけにはいきません。

着物を着ている時、“B”はいらないんです。

タオルや綿で膨らみを出せるから、“B”をする必要がない。

(まぁ、和装“B”というのがありますが)


しかし私が今回着るのはワンピース。

タオルや綿では再現できない。ごまかしが効かないんです。


どうしても“B”が必要なんです。

でも恥ずかしくて中々買えない。




ああ“B”が欲しい。




もし神龍が目の前にいたら迷わず、

「ギャルの“P”をおくれ」ではなく

「ギャルの“B”をおくれ」と叫んだだろう。



中には「別に胸なんかなくても良くないのでは?」と言う方もいるだろう。


へっ! 馬鹿言っちゃいけねーぜ!



私が今回の役でイメージした女性像が『“D”カップの女性』なのだ!


だから、“D”の“B”が必要なのだ!


こればっかりは仕方がない。

なぜならそうイメージしてしまったからだ!


掘り下げて考えていくと、そこには“D”の“B”をした女性がいたのだ!


もう頭の中は“DB”なのだ!



演出家がいうならその通りにしなければならないが、特にない場合、イメージする女性に近づけなければならない!


それが私には“DB”なのだ!


“BB”でもなければ“FB”でもない“DB”なのだ!


だから私は“D”の“B”が必要なんだ!


そのために“D”の“B”を買わなければならないんだ!

(なんか途中でキャラが変わってないか?)





“B”コーナー行き初めて知ったのですが、色んな“B”があるんですね。

フルカップの“B”とか、1/2の“B”とかワイヤーのない“B”、ナイト“B”、種類もデザインも様々ある。

どれにしようか“B”胸に充てがいながら悩み、これというやつを選ぶ。


“P”とセットで買おうか悩むが“P”は買わない。


私には“B”があれば十分だ。






さぁここからが本番だ。


あとは“B”をレジに持っていくだけだ。


僕は“B”をメンズのデニムにくるみ、レジに向かって一歩一歩、足を進める。


レジの前には3人のお客さんが並んでいる た。


胸の鼓動が早くなる。


お客さんが会計を済ませ、1人去る。


入った時には冷房が効きすぎだと感じていた店内で、汗がしたたる。



お客さんがまた1人と去る。いよいよ次だ。



胸の鼓動で店内のBGMがよく聞こえない。



目の前の人が去る。




僕の番だ。



・・・





・・・・・・







気づけば僕は店の外にいた。



手には会計を済ませた商品が入っている袋。


その中には、普段履く用に買ったデニムが一本。




“B”はない。



車に戻り、すぐさまスマホを取り出した。

今いる店のサイトを開き、先ほどまで持っていた“B”をクリックして、代金引換で購入した。“





私にはまだ越えられない壁である。



では、また。

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