ども、いっそのこと女の子になりたい、市川福介です。
(こういう言い方をすると誤解されそうだな)
前回の続き。
“ムダ毛処理”というしち面倒くさい苦行を乗り越えた私であったが、それだけでは終わらない・・・
次に待ち構えている壁。
それが「ブラジャーを買う」ということ。
【※今後も“ブラジャー”という言葉が連呼されることが予想されますので、この後の文章は“ブラジャー”を“B”と表記します。あらかじめご了承下さい】
これが大きな壁であり、中々に恥ずかしい。
“パンティー”ではない、“B”なんです。
【※今後“パンティー”という言葉が連呼されることが予想されますので、この後の文章は“パンティー”を“P”と表記します。あらかじめご了承下さい】
レディースの服自体、躊躇なく買えるし、なんなら普段からサイズが合うからと買うことも多々あるんです。
しかし、“B”や“P”はブラウスやスカートと同じというわけにはいきません。
想像して見てください。
私が売り場でブラウスやスカートを選んでいてもおそらく「彼女さんへのプレゼントかな?」とかくらいにしか思わないはずです。
しかし売り場で“B”や“P”をニヤニヤしながら、物色していたらきっと不審に思うでしょう。
(それはニヤニヤしているのが悪いのでは?)
ブラウスやスカートはありますが、“B”や“P”はないので買いに行かなければなりません。
これが実に大きな壁です。
“P”は別になくてもいいんです。
見えるものではないので、自分の“P”を穿いておけばいいんです。
(中にはそこも拘る役者もいますが・・・)
しかし“B”はそういうわけにはいきません。
着物を着ている時、“B”はいらないんです。
タオルや綿で膨らみを出せるから、“B”をする必要がない。
(まぁ、和装“B”というのがありますが)
しかし私が今回着るのはワンピース。
タオルや綿では再現できない。ごまかしが効かないんです。
どうしても“B”が必要なんです。
でも恥ずかしくて中々買えない。
ああ“B”が欲しい。
もし神龍が目の前にいたら迷わず、
「ギャルの“P”をおくれ」ではなく
「ギャルの“B”をおくれ」と叫んだだろう。
中には「別に胸なんかなくても良くないのでは?」と言う方もいるだろう。
へっ! 馬鹿言っちゃいけねーぜ!
私が今回の役でイメージした女性像が『“D”カップの女性』なのだ!
だから、“D”の“B”が必要なのだ!
こればっかりは仕方がない。
なぜならそうイメージしてしまったからだ!
掘り下げて考えていくと、そこには“D”の“B”をした女性がいたのだ!
もう頭の中は“DB”なのだ!
演出家がいうならその通りにしなければならないが、特にない場合、イメージする女性に近づけなければならない!
それが私には“DB”なのだ!
“BB”でもなければ“FB”でもない“DB”なのだ!
だから私は“D”の“B”が必要なんだ!
そのために“D”の“B”を買わなければならないんだ!
(なんか途中でキャラが変わってないか?)
“B”コーナー行き初めて知ったのですが、色んな“B”があるんですね。
フルカップの“B”とか、1/2の“B”とかワイヤーのない“B”、ナイト“B”、種類もデザインも様々ある。
どれにしようか“B”胸に充てがいながら悩み、これというやつを選ぶ。
“P”とセットで買おうか悩むが“P”は買わない。
私には“B”があれば十分だ。
さぁここからが本番だ。
あとは“B”をレジに持っていくだけだ。
僕は“B”をメンズのデニムにくるみ、レジに向かって一歩一歩、足を進める。
レジの前には3人のお客さんが並んでいる た。
胸の鼓動が早くなる。
お客さんが会計を済ませ、1人去る。
入った時には冷房が効きすぎだと感じていた店内で、汗がしたたる。
お客さんがまた1人と去る。いよいよ次だ。
胸の鼓動で店内のBGMがよく聞こえない。
目の前の人が去る。
僕の番だ。
・・・
・・・・・・
気づけば僕は店の外にいた。
手には会計を済ませた商品が入っている袋。
その中には、普段履く用に買ったデニムが一本。
“B”はない。
車に戻り、すぐさまスマホを取り出した。
今いる店のサイトを開き、先ほどまで持っていた“B”をクリックして、代金引換で購入した。“
私にはまだ越えられない壁である。
では、また。
Comments